2019年の秋ごろから、気象の長期予報ではこの冬は暖冬とは言われてはいたけれど、本当にそうです。本日(2020年)1月11日にして米沢市のアメダスの積雪は0センチ、ここルーザは山沿いの場所なので雪はあるにはあるけれども道路にはありません。積雪10センチが出動の目安とされる除雪車はこれまでにただの一度、こんなのは約20年ぶりぐらいではないかしら。
雪国にとって雪は確かにつらいもの、疎ましいものには違いはないのだけれど、雪は春になれば一斉に溶け出してダムに水を貯め、田畑を潤し、そしてついには滋養を含んだ水が海に注がれるもの。そして海の水が蒸発して天に昇って蓄えられ雨となり雪となって降り注いで大地を覆う…、この循環があってはじめて生命が満たされ環境が整えられるのだけれど、こう雪が少なくてはね。これが災害に結びつかなければよいがと願うばかりです。
さて、筆者は今年の年賀状に、こう記しました。
……よりよいドアリラができるよう、工房を増築中。今年もドアリラを通した出会いがたくさんあることを願っています。/■お知らせ①「ふるさと会津工人まつり」出店(予定)。6.13土-14日、三島町にて ②ドアリラ展Vol.2 。10.24土-11.1日、ルーザの森クラフトにて
そう、より本格的な製作活動をしようとまずは工房を増築中。東に1間(けん)=3坪分を張り出し、機械類の自由な操作を望んだのです。もう手狭過ぎて。
専門の業者が入って床のべた基礎と布基礎の柱の落ちる箇所にコンクリートブロックを置いてもらったので、春には、そのコンクリートブロックの隙間を埋めるべく布基礎のために高畠石(大谷石と同様の軽石凝灰岩。工務店を営むSさんよりありがたく頂戴したもの)を筆者が細工して積み上げます。春先は、いわば石工ですね。
それから建築部材はすべて手持ちの廃材をもとに墨付けから刻みまでを完了しているので、布基礎ができれば立ち上げは一気に進みましょう。大工に手伝ってもらって屋根を葺き、屋根がかかればもうこっちのもの、外壁や内装などはトントン拍子に進みましょう。完成は4月末を見通しています。
お知らせの①の「ふるさと会津工人まつり」は、日本のクラフトフェアでも有数の規模を誇る一大イベント。工人(職人)もお客さんも全国から大勢おいでです。会津の三島町はいわば工芸の聖地なのです。人口3,000に満たない山あいの町がこの2日ばかりは沸き立ちます。筆者にとって出店は長年の憧れであり、工芸を見る目を持つ人々にドアリラなるものをお披露目したいのです。
もうすでに申し込みは済ませており、事務局による事前の内容審査を通れば、参加の運びとなります。選外となる方もいるらしく、よって「予定」と付しているというわけです。
この冬は、出店のための準備という位置づけです。
下は、2018年の工人まつりのひとコマ。
②は、2018年秋に開催したドアリラ展に引き続く2回目です。今回も、森の生活とドアリラの関連性を欲(ほっ)して、当クラフトでの開催としました。前回より3週間ばかり遅らせたのは、ひとえにカメムシ君の発生時期を考慮してのもの(笑い)。
前回は、ここに住む筆者でさえビックリ仰天の出現であり、空がごま塩の様でした(笑い)。それは、来場者にあっては天変地異に匹敵する驚愕の光景であったでしょう(笑い)。掃いて集められるようなら、絶対、薪ストーブの燃料にできるほど(笑い)。
まあそれはともかく、1回目とは趣きがちがうちょっとした特徴をと今から構想しています。
前置きがすこぶる長くなってしまったけれど、ここで本題、「youtube ドアリラ3部作」。
最近になって、動画として、ドアリラがどうやってできるのか、それをまとめたいと思いました。
今まではこの“signal”のコーナーを使って部分部分の行程の説明はしてきましたが、映像でというのはまた趣きが違うもの。signalをご覧になっていた方からも「なるほど!」の声が届いたということは、映像はそれだけインパクトに満ちているということでもあります。
そんなわけで、太い原木がやがて様々な工程を経てドアリラになる、その過程をイメージしてほしいものだという願いからです。それがyoutube「ドアリラ製作篇」です。
で、それを完成させて知人にお知らせしたところ、製品リスト=ラインナップを動画で紹介してほしいものだという要望です。正直のところ、それはこのホームページの“works”にそれぞれの仕様を含めて詳しく載せているのでまったく考えなかったことでしたが、youtubeの方が身近なひともいるだろうと思って、思い切って作ってみることにしました。
写真は今までに撮りためたものの活用では用が立たず、すべて一から撮影しました。ここしばらく曇天がつづいていたためほどよい光が得られず、外光を含めて4つの光源で光を集めました。場所は、いずれもアトリエ(ギャラリー)です。
いったん撮影し終わっていざ編集に入るも、難儀したのは一枚一枚へのテキスト(文字)の挿入です。いちいちフォントとサイズ、それにヨコ位置タテ位置を設定せねばならず、設定しては次には続く画像とクロスの作業が入り、それが済むとまたテキストの挿入の繰り返し……、脳みそがぐちゃぐちゃに溶けてしまいそうでした(笑い)。そうして5時間ほどをかけて一気に仕上げました。それが「ドアリラline-up篇」です。
併せて、かつての動画「アトリエ篇」も上げておきます。
これは、ドアリラ製作の現場=工房(粗作りの場所)とアトリエ(塗装と組み立ての場所)に重きを置いて製作しています。
「アトリエ篇」と「ドアリラ製作篇」では性質上ダブっている写真がありますが、それはご愛嬌ということで。
これで、ドアリラはどうやってできるのか、その周辺へへも想像が及ぶのではないでしょうか。
それでは、時間の許す限り、のぞいてみてください。