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クリスマスは、youtube

クリスマスは、youtube。
これは何もクリスマスをyoutubeで過ごそうと呼びかけているわけではなし。筆者のこのブログ(エセー)のキャッチコピーとして付したまでのこと。つまりはクリスマスを材にして、動画(連続静止画)を作ってyoutubeに上げましたというだけのことです。“を”を、“は”にしたのは、クリスマスを含んだ動画へのお誘いのトリック。失礼!

で、この動画作成は約5か月ぶりのこと、この間は工房の増築等に心奪われ動画はまったく意識の外だったので手順をもうすっかり忘れていたのです。ソーシャルメディアに疎い筆者のこと、思い出すのにたいへん苦労しました。
動画はめぐる季節の1年をと構想し、夏から秋まで(それからドアリラの製作や生活等)は作っていたので、次には“クリスマス篇”を何としても、引き続いて“冬篇”は是非に、さらには“早春篇”を、そして“春篇”をと先々を考えていました。気長に少しずつと構えたのですが、手順を忘れないうちにと思って(忘れてしまうことが怖くて)、一気に4作を仕上げたというわけです。
ということで新しい4作、youtubeのチャンネルからもこちらからもご覧いただけるようにしました。

“クリスマス篇”は是非、作りたかった。
筆者はキリスト者ではないけれども、クリスマスが昔から好きです。クリスマスというのはイエス=キリストの誕生日というのではなく(誕生日の特定はできないらしい)、あくまで誕生を祝うという日らしく、正しくは降誕祭とのこと。けれども重要なのは、クリスマスはイコール冬至、太陽神信仰からくる冬至祭でもあるということです。
夏至を境にこの日までに日はどんどんと短くなり夜は早く来て長く、この日より先はほんの数ミリほんの数秒ほども日は長く、夜は遅く来るようになって短くなる…、これを希望とせずに何としましょう。その象徴がクリスマスです。

“クリスマス篇”のアイキャッチは、我が家の玄関口の木彫のサンタクロース。
実はこれ、何を隠そう、もうずっと前に100円ショップで見つけたもの。この素朴な木彫りの造形がすばらしく、筆者はこれを超えるサンタ像にいまだお目にかかったことはありません。

サンタ像の後ろの針葉樹の枝は、我がヒュッテの前にあるトウヒ(唐檜。マツ科トウヒ属。アカエゾマツという指摘もあるが同定は難しく、筆者は属名の“トウヒ”としている)。モミ(樅。マツ科モミ属)とともに日本で最もクリスマスツリーにふさわしいものと思っています。
この木は近くの栗園からもらってきて、実生の幼木から育てたものです。毎年、このひと枝を切って飾ります。

中に登場させた本のひとつはエーリヒ=ケストナーの『飛ぶ教室』岩波書店1962です。ドイツの寄宿制ギムナジウム(高等中学校=9年制で、日本の小学校上級から高校までに相応)を舞台にしたクリスマス物語です。
勇気とは何か、信頼や友情、愛情とは何かという普遍的なテーマを切々と語る愉快痛快でしかも胸に響く少年小説です。筆者はこれを知ってこの方、ここに登場する魅力的な大人(特に、“禁煙先生”と“正義先生”)にどれほど投影してみたことか。
最近のものも含めて訳本は数多く出ていますが、筆者のお気に入りは岩波の「ケストナー少年文学全集」に収められた高橋健二氏の少々古臭いが時代の空気をも盛り込んでいるかのような訳です。ワルター=トリヤーのほのぼのとした絵も絶品です。
筆者は、クリスマスをあますところ語ってこれほど秀逸な書物を知りません。クリスマスが近くなると必ず手に取るたいせつな一冊。
ケストナーがこの物語を書いたのはナチスの圧政にあった時代(出版は1933年)です。前書きにあらわれる「勇気のある人々がかしこく、かしこい人々が勇気を持った時、はじめて人類の進歩は確かなものとなりましょう」はせめてもの抵抗であったか。

さしはさんだもうひとつは、ピーター=コリントの絵本『天使のクリスマス』ほるぷ出版1990。
細い線描の集積で見事な絵画の世界を作っています。サンタクロースが少女にプレゼントを置いてゆく場面がリアル。これも大切な一冊。

それから今は“スノーマン”の方が通りがよい、『ゆきだるま』評論社1978。
このレイモンド=ブリッグズ原作でダイアン=ジャクソン監督のアニメ「スノーマン」1986は素晴らしかった。原作にはないけれどもデヴィット=ボウイによる冒頭のナレーション、それからスノーマンと少年が空を飛ぶシーンに流れる楽曲「ウォーキング・イン・ジ・エアー」も素晴らしかった。
我が家の子どもがまだ幼かったころのことだけど、最後のシーンの、少年が朝起きたらスノーマンは日光の熱でもはや溶けて消えかかっており、けれども遠くに飛んでいって森の中のサンタクロースにもらったマフラーはちゃんと寝間着に入っていた…、ここで涙ぐんでいたのは忘れ得ぬことであり。
アニメ「スノーマン」を見てのあとさき、これを超えるアニメーションを筆者は寡聞にして知らないのです。あえて双璧は、フレデリック=バックの「クラック」1981ぐらいでしょうか。
とまあ、クリスマスのイメージを周りの風景や風物に借りながら動画として作成したというわけです。

“冬篇”。
冬の耐え難い厳しさや、けれどもたまに微笑むやさしさを拾ったもの。

中に春を呼ぶ、当地方の団子木飾りや雛祭りの行事を配して。

このひな人形の設営と撤去はともに5分という素早さ(笑い)。2月の中旬以降の季節に、我が家はずっとこれを飾ってきました。メインのお雛様はいただきもので、福島は三春の高柴デコ屋敷の張り子です。この素朴さはいい。
それから冬のテーブルを飾るしあわせな果物などを。

“早春篇”。
3月も半ばを過ぎると、雪は降ったりやんだり、時に猛吹雪に見舞われることもあるけれどそこは三寒四温、一進一退を繰り返しながら、雪は少しずつ嵩を減らして、やがて雪明け(根明け)の季節が訪れます。待ちに待った早春です。

フクジュソウ(福寿草。キンポウゲ科フクジュソウ属)がいち早く咲きます。マンサク(万作。マンサク科マンサク属)も咲きます。土の広がりや花を目にするたび、閉じ込められていた心が解放されます。早春は、その喜びです。

そして、“春篇”。

4月も半ばになると雪という雪は姿を消して(多い年は5月の連休あたりまでも残っていることがある)、花が一斉に狂喜乱舞するかのごとくに咲き出します。雪国に住む者の春がきたうれしさは、雪を知らない者にはとうてい理解が及ばぬものだと思います。野山にはコゴミやワラビなどの山菜が噴き出すのですが、それを求めて歩くのは無上の幸いというものです。そういう春を画像で謳ってみました。

それではどうぞ、ルーザという雪国の、クリスマス、冬、早春、そして春をご覧あれ。