森の生活

納豆汁のこと、など

本日は(2026年の)2月20日です。
今朝はマイナス10℃くらい、とても冷えました。薪ストーブをガンガンと焚いても部屋を暖めるのは容易ではありませんでした。
また、昨日は約20センチの積雪がありました。
が、筆者たちの合言葉は「きびしさは2月20日まで」、もうこの日を迎えたので、たとえこれから吹雪が来ようと大雪が来ようと、耐えられなくなる状態は脱したということです。まずは、うれしいです。

さて、今回のsignalは冬のきびしい時期に身体がほしがる食べ物、納豆汁についてその他、題して「納豆汁のこと、など」です。

1月31日のこと、外が明るいなあと思って外に出れば月はまん丸(2月2日朝が満月のピーク)、いやあ美しい月夜でした。
ここは雪国なので、月の光に照らされる雪野原は格別、懐中電灯など不要、どこまでも縦横無尽に行けそうです。
こういう夜の真ん中に身を置いている時でしょうかね、森に暮らす幸せを感じるのは。

今年の雪は大したものではありませんでした。最大積雪深は140センチほどで現在は85センチ、昨年の今ごろのピークが240センチだったので、とても少ないです。
昨シーズンはどこまで降るか分からない雪の恐怖を覚えたものでしたが、去年を経験した身としたら、今年はかわいいもの。
自然落下が望めない1棟(コンテナ小屋=国鉄貨車コンテナをふたつ並べて屋根を掛けたもの)の雪下ろしは、昨年は3回、それに対して今年は1度だけでした。これから先はないと思います。

下は、1月31日のコンテナ小屋の雪下ろし。もはや限界でした。
筆者たちの雪下ろしは、雪ごと滑って落ちないよう、あえて氷点下の時間帯を選びます。

コンテナ小屋から見た西側、手前が車庫、遠くに主屋。

相棒の伸長が150センチ少々ですから、屋根の雪のほどが分かろうというものです。
単純な計算で、屋根の面積は約32㎡、1㎡に(ほぼ)しまり雪が1メートル積もったとして400kg、32㎡では12,800kg、12.8トンです。全体でこんな重量がかかるわけです。
これを放置すれば、倒壊に至ります。雪の経験が乏しい地方のひとには想像を絶する現実です。
屋根の雪下ろしに関する事故が毎年報じられているけれど、倒壊が怖く、だから無理してでも雪下ろしはせざるを得ないのです。当然、屋根からの落雪も危険です。

久しぶりの晴れ間。

除雪機の格納小屋。

屋根の雪がなかなか落ちずに雪庇が大きくなるばかり。
これもまたたいへんなことで、そのために雪庇切りを金属板でつくっていたのですが、雪庇に刺して動かすと、金属板は簡単に曲がってしまって用をなさず。
それならと今回は、スコップの柄を途中で切り、不要になっている長い丸棒を継いだものをつくってみました。長さは280センチあり、この作業性は抜群でした。

 

懇意にしている町内の方から昨秋、大工の親戚が持ってきたという不要な板をたくさんいただきました。
この板は、「水貫(みずぬき)」という部材で、「水杭(みずぐい」とともに、「水盛り遣(や)り方」のために使われたものです。この一行はむずかしいですね、スミマセン。

家屋の建築の際、地面に四角く板で囲ったものを見たことがあるのではないでしょうか。あれが水盛り遣り方で、別名は丁張りです。
このことによって水平を取り、建物の正確な位置決めをする、建築の第一歩の重要な段階なのです。

その板を30枚ほど、しかも厚みが20ミリ以上、これは使い出があります。
で、思いついたのがヒュッテ内の移動式ロッカー。山道具、キャンプ用品や衣類などの収納によいかと。
ちょっとネットの類似品を見たら、このサイズでしかも安直な合板で48万円とはビックリ。それぐらいの価値と思っていましょう(笑い)。

ロッカーは板を張り合わせ幅広にして、刻みを入れて組んだもの。
ずいぶんな時間を要しました。

いただいた板の、まだ残っているもの。

板の張り合わせ。
張り合わせの補助具は、ドアリラのためにつくっていたもの。大活躍です。
上からの押さえつけと横からの締め付けで強度のある幅広板ができあがります。

ローカーに差し入れるトレイも自作。
10ミリ厚で張り合わせていますが、これはかつての造作物の解体材でできています。
中には釘や木ネジあとの激しいものもあります。 

工房は薪ストーブであたたかです。

トレイをもう少しつくって、おしまいにします。

さて、納豆汁。

筆者にとって納豆汁は昔ながらのなじみではありません。
親はふたりして外に稼ぎに出ていて自由な時間は乏しく、農地もなかったので作物を作れず、したがって大豆でつくる納豆をはじめとして自家製が基本の納豆汁に縁がなかったのです。
興味を覚えたのは近年、これこそが雪国を代表する優れたレシピであると。

納豆汁はとてもめんどうで手間がかかります。
まず、納豆のすりおろし、すり鉢で形がなくなるまで擂(す)るのですがこれがやっかい。
自分でもやりましたが、腕が痛くなってきて疲れます。
ある農家の知恵では、納豆を湯にひたしてやわらかくなってから擂るとよいということです。これだとめんどくささは半減しそうです。

で、今は「納豆汁の素」を使っています。

納豆汁を郷土料理としているのは秋田県と山形県、ともに雪国です。
秋田県は湯沢や横手などの県南内陸部と由利地域に限定されるとのこと、これに対して山形県は全域にまたがっています。

秋田と山形の一番のちがいは入れる具材で、秋田はさと芋なのに対して山形はその茎たる芋がら(ズイキ)を入れることです。
筆者とすれば、ズイキの入らない納豆汁は考えられないほどです。

下が、ズイキ。それを水で戻したもの。 

他に入れる具材は秋田、山形ともほぼ共通のよう。
春と秋に収穫した山菜とキノコを塩蔵していたものを戻して使う、それからコンニャクや豆腐ですかね。
わが家もこれにならっています。

塩蔵キノコを戻して小分けにして冷凍していたもの(こうしておくと、そばやうどんにすぐ利用できる)。
キノコは山から採ってきたナメコ(滑子)、クリタケ(栗茸)、ムキタケ(剥茸)が混ぜ合わせてあります。

山形県でもこの雑キノコを重要視するのが庄内で、採りに行けなければ買ってでも手に入れると聞いたことがあります。
庄内の納豆汁は「大黒様のお歳夜(おとしや)」の12月9日、それに年越しに欠かせない一品なのだそうです。
食す日が決まっているゆえに、材料の手抜きはできないということでしょうか。
食す日で言えば、秋田は正月に欠かせず、冠婚葬祭のハレの日も外せないとのことです。

塩蔵したワラビを乾燥させて保存していたもの、それを戻して。

それに、ちぎったコンニャクと、豆腐と。
豆腐以外を煮立たせて火を止め、そこに納豆汁の素を溶かし入れてから、豆腐を投入、火を入れて沸騰前に止めるのがコツとのことです。

ネギをちらして、七味を振って、納豆汁のできあがり。
これがあれば、冬の厳しさも何のそのです。力がみなぎってくるのです。

納豆汁の味は天下一品、これこそ天の食(じき)と言っても過言ではないはず。
もし、納豆汁の味を知らずして死ぬなら人生にあらず(笑い)、でしょうかね。
人生観が変わるひと品(笑い)、それが納豆汁、それほど、おいしいということです。

いつぞやの晩ごはん。
グラスには自家製のユズ酒。


本日は21日、つい先ほど、森林インストラクターとともに里山のスノーハイキングから戻りました。
気づいたところ、分からないことを聴けるというのはうれしかったです。
丸山さん、ありがとうございました。

春を予感させる陽気だなあ。

それじゃあ、また。
バイバイ!

 

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