本日は年改まった2026年の1月10日、外は50センチほどの雪でしょうか。
昨年の今ごろはとんでもない雪だったので、50という数字はまだかわいいです。小雪です。
写真は7日朝のもの、ずいぶんと冷え込んでマイナス10℃を下回った模様、こうなると純木造のわが家はこんな状態になります。
木材は湿気を吸ったり吐いたりしているのですが、冷え込むと、木材に吸収されている水分が凍りつきます。
で、XとかIとかの模様が浮き上がるけれども。これは板壁の中に組み込まれている梁とか筋交いとか、柱や間柱です。冷え込みが構造をあらわにするのです。
構造材が入っているところだけが凍結を免れているのです。
さて、今回のsignalは当地方の正月の料理、題して「正月のうまいもの」です。
米沢・置賜(おいたま、おきたま)地方は、からかいに棒だら、それに鯉、これがないと1年が始まらないのです。
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わが家の正月飾りはいたってシンプル。
クリスマス飾りともしたモミ(樅)の木の枝です。
日本もヨーロッパも、冬にあって常緑の枝はいのちの象徴です。
それから日本古来の鏡餅。
以前はプラスチックの型に入った餅を買っていましたがどうも味気なく、これは筆者がすべて木材でつくったものです(笑い)。
木箱(三宝/さんぽう)も、餅も、みかんも。
みかんの小さな葉はビールの缶を切って接着剤で(笑い)。
赤い敷き布の四方紅(しほうべに)は相棒の作。
時期が過ぎれば、箱の中に収納してしまっておくことができる、半永久のすぐれモノです。
ふた組あるので、ひとつはリビングに、ひとつは玄関口に置いています。
各家々の年越しや寿(ことほ)ぐ正月にはどんなものが食卓に上がるのかは興味あるところだけれど、実際はイメージできません。
わが家の年越しはカニ鍋と決まっていて、年に一度、この日だけは奮発してカニをたらふく食べます。
今年はたまたま浜松にいる息子が帰省していて3人の年越しとなりました。
わが家は、年改まる深夜に笹野観音に初もうでに行くのが恒例で、年が明ければ朝昼一緒の雑煮餅とささやかなおせちが出ます。
雑煮には塩蔵していた山のナメコや(滑子)やクリタケ(栗茸)などを戻して、それから鶏肉に、なるとや岩海苔やセリを添えて。
それから素朴なひと皿、筑前煮と出汁巻き、それと相棒の出身地の福島県北部の寿ぎ料理のイカ人参、そしてかまぼこや数の子豆、それから送っていただいたキンカンをハチミツ漬けにしたものが添えてあります。
最近ずいぶんと幅を利かせるようになった市販の、彩りあざやかで豪華なおせちセットとは無縁です。
素朴でもていねいな暮らしをと願うわが家では、たとえおいしくとも安直な手抜きものには手を出さないと思います。
それから奮発して、暮れから正月内に鯉のうま煮が食卓に上ります。
このコイは当地方の名物、盆と暮れそして正月のめでたい日、それから祝い事があれば必ずと言ってよいほどにうま煮は欠かせないのです。
もともとは名君と謳われた上杉鷹山が領民の栄養のために町内の堀でコイを飼うことを奨励し、餌には絹織物を作る際の糸を取ったあとの蚕をやったのだとか。このアイデアはすばらしいことだと思います。
自分の母親もそうだったけど、コイには母乳信仰があって、お産後のお乳がよく出るようにと高価なものにもかかわらず口にしていたようです。それが、うま煮の包装紙にも残っていました。
秘伝の汁でよく煮込まれたコイはたまごはもちろん内臓もおいしく、当然身はほろほろでほっぺたが落ちてしまいます(笑い)。
とにかく当地方ではコイを食べるゆえ、自前の養鯉場で生産される量よりも消費量ははるかに多く、全国から米沢・置賜地方に集められるよう。それほどコイは生活に根付いた大切な食べ物なのです。
米沢イコール米沢牛というイメージが固定されているようだけど、コイもまたすばらしいです。
月はじめの筆者は包丁研ぎがならい、年明け早々にも包丁を研ぎました。
このシュッシュと音する時間はいいものです。
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正月のうまいもの、それはからかいと棒だら。
そうして、棒だら煮をつくろうとしたのです。
棒だらは当地方の冬に欠かすことができない食材です。
材料はスケソウダラ(介宗鱈・助惣鱈)でタラ科の魚、そのカチンカチンに乾燥したものが売っています。

食べやすい大きさに切って、
煮汁を生かしてひたひたに張り、しょうゆに砂糖、酒にみりんを合わせてとろ火で煮詰めます。
このコトコトと煮詰める作業に薪ストーブがいいのです。
そうしてできあがった棒だら煮、これもほっぺが落ちてしまうほどです(笑い)。
正月には食べたいけれども家庭でつくるのは面倒くさいからなのか、今では出来合いのものが真空パックに入れて売られるようになっているよう。
手間暇かかるし、当然、高価ですが。
正月のうまいもの、それはからかいと棒だら。
そうして、からかい煮をこの冬もつくろうとしたのです。
からかいというのは、別名にカスベ、エイ(鱏、鱝、鰩など)のヒレの部分を干したものです。
エイはエイでもガンギエイ(雁木鱏)科のコモンカスベもしくはメガネカスベを指すとのこと。
ガンギ(雁木/がんぎ)とは空を飛ぶ雁(ガン)の列のような形から来ているそうな。
コモンカスベ。

メガネカスベ。

棒だらとからかいの煮つけの仕方や味つけは似たり寄ったり。
ちがうところはからかいは戻すときに米のとぎ汁を使い、3日くらい水にひたすこと、それからぬめりを取って沸騰するまで煮て、その水は捨て去ることでしょうか。
棒だらは戻し汁を生かすことが肝要のようです。
あとは棒だら同様コトコトと煮つめ、冷ましては煮て、煮ては冷ますをくりかえして味をしみこませていきます。
そうしてできあがった、からかい煮。
からかい煮を外の冷気で冷やせば、煮汁がやわらかい寒天のようにプルプルする煮こごりと化しています。
この煮こごりこそ、からかい煮の真骨頂です。
煮こごりをあたたかいごはんに載せれば、煮こごりは少しずつ溶け出して、ごはんに特別な味をつけていくのです。
しあわせなひと時です。
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本日は12日、積雪は一気に増えて80センチです。
自生するミズキ(水木)を野原から切ってきてリビングに据え、相棒とふたりでいつものように飾りつけをしました。
変わらぬ、わが家の団子木飾りです。
春よ来い、早く来いの、春を呼ぶ風習です。
外は白の世界。
これから約1か月の辛抱です。
そしたら、ひかりの春の足音が聴こえてくるでしょう。
雪が消えたらあれをやりたい、これもやりたいと思いはふくらむばかり。

今季の除雪は実に丁寧で、担当の会社に(町内会長として)感謝の意を伝えたところです。
したがって、家の前までクルマが来れないことはなく、自宅から200メートル先に、雪で通行の大変な時用にと設置していた新聞受けを車庫まで移動しました。
これでもずいぶんと配達の人は助かるはず。ここから自宅までの50メートルを雪をこいで歩く必要がなくなりますからね。
それじゃあ、また。
バイバイ!
※本文に割り込んでいる写真はサムネイル判で表示されています。これは本来のタテヨコの比から左右または上下が切られている状態です。写真はクリックすると拡大し、本来の比の画像が得られます。また、写真の下にあるスライドショー表示をクリックすると写真が順次移りかわります。































