今年2018年は寒冷な冬に酷暑の夏、ということで植物界にもところどころで異変があったようで。実はここルーザでもありました。
近くに鑑山(かがみやま)と呼びならわす小高い山があって、これは花の山。4月はじめのマルバマンサク(丸葉万作)からはじまり、タムシバ(田虫葉)、イワナシ(岩梨)、オオイワカガミ(大岩鏡)、そして5月には全山ヤマツツジ(山躑躅)に彩られるのですが、何を勘違いしたのかこの晩秋にヤマツツジが咲いているのです。(秋に咲かないことを)毎年確認しているわけではありませんが、これはたぶん異常だと思います。
で、これまたルーザの晩秋に、何と梅と桜が開花!?
これは冗談(笑い)。ドアリラ展に間に合わずにのびのびになっていたgroupEのE-01 umeとE-02 sakura がようやくのこと完成したのです。ほっとしました。これで想定18種、すべてが出そろいました。
このgroupEというのは五角形を基本とするグループです。自分でもこの円環を基礎とする安定したフォルムがおもしろく、ずいぶんとデザインを起こしました。その一部が下の図です。一番下はhuman、その上はhitodeという名まで用意し、hitodeにあっては試作段階まで行ったのでしたが。それはそれで気に入っていたのでしたが。
このグループは材料使いや技法からいって最上ランクと位置づけ、価格も20,600円と設定したのでした。無垢の木のハルニレ(春楡)をふんだんに使う上、弦を張る左のピンは(他がそうであるよう)スチールや真鍮の棒から自作したものではなく、こちらにもチェンバロチューニングピンを使用し、中板を組む作業も少々の技術を要するものです。そんなわけで高価格なのですが、作ったとてそうそう出るものでないということは作る前から分かり切っていることで。
よって、製品化したのは umeと sakura の2種のみ。しかも数量も他の種類が平均して10点程度なのに対して、こちら2種は5点のみです。買っていただける方を気長に待とうと思っています。
梅や桜を家紋とする家はないですか?(笑い)。
梅や桜にまつわる商売をなさっているお店や会社はないですか?(笑い)。
名前が、梅や桜に由来する人は?……(笑い)。
と、何と、出来上がってから今日(11月20日現在)までの3週間で、E-02 sakuraが2点も出たのです。うれしかったなあ。ありがたいです。
考えてみると、小正月に団子木を飾って春を呼ぶよう、3月にひな人形をしつらえて春を招くよう……、花瓶にチューリップ、水耕栽培のヒヤシンスと、冬の厳しい北国の人間にとって、春を呼ぶ象徴は心をなごませるもの。梅や桜は象徴としてもってこい!?
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ちなみにここで、売れ行き情報をお知らせしておきますね。
一番人気はD-04 treeで、他より多めに作っていた15点が完売。これは今後木取りからの作業になるので再販までには時間がかかります。完成予定は12月半ばとしているけど、どうだろう。
続いての売れ筋はC-02 hornで、残りわずか。A-02 pickも半分ほどは出たろうか。
共通はいずれも三角形、この形は安定していて安心を与えるということなんですかなねえ。
C-02 hornは、実は23年前のあり合わせの材料で作って遊んでいた頃のデザイン(topのidentityを参照)で、それを生かしたものです。ただその時はhorn(ホルン、ホーン=山の頂き)という意識はなかったのですが、各種に名前をつけはじめた(ネット販売でのトラブルをなくす意味も込めて。品番だけでは間違いが生じる恐れがある)時にひらめいたネーミングです。で、マッターホルン(Matterhorn)の有名な山容は頂上が左を向いており、今後ですが、左向きhornを材料を高級化して製作し、“horn left”としてgroupDに加えようかとも思っています。
雪がしんしんと降る冬は、思う存分にドアリラと向き合えるでしょう。その成果をいつかお披露目できるのは無上の楽しみというものです。
それでは。また。