森の生活

リンゴのことなど

秋にリンゴって、いいですねえ。食感のサクサクがまずいい。平和そのものの形して、色もいい。我が家のテーブルは無垢材の拭き漆ゆえ、そこにリンゴが座れば、そのブラウンと赤とが美しい調和を作ります。リンゴがあれば、これからの季節は幸せというものです。
ここ米沢の西に舘山という地区があって、そこがリンゴの一大産地。南の長野に北の青森、その中間を取り持つのが米沢とのこと(ホントかな?)。種類は“陽光”とか“つがる”とか、“紅玉”とか“ふじ”とかいろいろあって、生で食べるのにはふじや陽光がうまいけど、加工するならなら何といっても紅玉です。2年ほど前に薪ストーブの熱を利用してリンゴチップスを試しに作ったことがあったけど、やはり紅玉が最高でした。また、米沢の奥座敷の小野川温泉にはアップルパイ「林檎小町」というお菓子があってとても美味なのだけれど、そこに使われるのも舘山紅玉とのこと。
さて、ここで問題です。ここに9個のリンゴがあります。この中に一つ、ニセモノが混じっています。さて、それはどれでしょう。答えは、「鑑山、紅葉スケッチ」の末尾(ククッ、笑い)。

玄関口のしつらえは、車庫後ろのカンボク(肝木)の赤い実。6月には木全体を埋め尽くすがごとくの雪のように白い花が咲いてひときわ目を引きます。そして今、葉を落として赤い実がたわわなのです。
この木を見ていて不思議なのは、あたりが雪に埋もれてさえも実はそのままに残っていること。つまりそれは、こんなに彩り美しい実なのに鳥も動物も相手にしないということです(筆者が知らないだけで相手にしているのかもしれない。食べているのかもしれない。しかし果実酒を作る身からしたら、実自体が不味くてとても利用できないことは確か)。仮に誰にも相手にされないのなら、どうやって種を拡散するというのか。クリ(栗)に似ているけど、これはトチ(橡)。秋の山からの楽しい贈り物。
トチは造形としておもしろく、形がデコビツでひとつとして同じものはありません。食するにはアク抜きの手間はとてつもなくたいへんなようで、そこまではなかなか踏み出せないのだけれど。

紅葉の雄はその彩りからしてヤマウルシ(山漆)だと思います。ウルシは触ると皮膚がかぶれることがあるし、筆者もさんざんな目にあったことがあったけど、紅葉の美しさは別。山にウルシがなくなればどんなにか寂しいことだろう。
ということで、はじめて花瓶に活けてみました。ウン、なかなかいい。とは思ったけれど、萎れるのも早く(トホホ)。

もうすぐ、雪がきます。